ノルアドレナリンのγ(ガンマ)計算をマスター
新型コロナウイルスの影響で、通常とは大幅に異なる臨床研修生活が始まっているかと思います。
かくいう私も某大学病院に教員として採用され、外科医として、教員として手術に燃えようかと思っておりましたが、手術そのものがナイ・・・。
ICUなどでノルアドレナリンなどの昇圧剤を中心に、γ(ガンマ)計算が求められますので、簡単に整理しようと思います。
※ノルアドの溶き方は院内ルールがある場合にはそれを優先してください。
ここではノルアド3A(3mg)+生食47mlの組成で記載します。
γ(ガンマ)とは?
1γ=1μg/kg/min
ハイ、終了です。
次に、ノルアド3A(3mg)+生食47mlでtotal 50mlにした時のγ計算を考えます。
体重50kgの場合
ノルアドレナリンの濃度
まず、3mgのノルアドレナリンを47mlの生食に溶いているので、
3mg/50ml
=3000μg/50ml
=60μg/ml
つまり、ノルアドレナリン1μg=1/60ml
体重50kgの場合の投与速度
ノルアドレナリンは0.1γくらいで投与されることが多いので、0.1γで計算します。
0.1γ
=0.1μg/kg/min
=5μg/min
=300μg/hr
これに先ほどのノルアドレナリン1μg=1/60mlを合わせると、
300×1/60 ml/hr→5ml/hr
つまり、体重50kgの方に対して、ノルアドレナリン3A+生食47mlで溶いたものを使用する場合、
ノルアドレナリン0.1γとなる投与速度は5ml/hr
となります。
体重別早見表 (単位:ml/hr)
0.05γ | 0.1γ | 0.15γ | 0.2γ | 0.25γ | 0.3γ | 0.35γ | 0.4γ | 0.45γ | 0.5γ | |
30kg | 1.5 | 3 | 4.5 | 6 | 7.5 | 9 | 10.5 | 12 | 13.5 | 15 |
40kg | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
50kg | 2.5 | 5 | 7.5 | 10 | 12.5 | 15 | 17.5 | 20 | 22.5 | 25 |
60kg | 3 | 6 | 9 | 12 | 15 | 18 | 21 | 24 | 27 | 30 |
70kg | 3.5 | 7 | 10.5 | 14 | 17.5 | 21 | 24.5 | 28 | 31.5 | 35 |
80kg | 4 | 8 | 12 | 16 | 20 | 24 | 28 | 32 | 36 | 40 |
90kg | 4.5 | 9 | 13.5 | 18 | 22.5 | 27 | 31.5 | 36 | 40.5 | 45 |
100kg | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | 35 | 40 | 45 | 50 |